そして新米パパは小腸がんになった。

働き盛りの30代、長男生まれて2ヶ月後、新米パパは小腸がんになった。がん患者の日常と心情を徒然なるままに綴るブログ。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

-25- 前日。

「おへそ、キレイですね〜。」 そうですかぃ? たとえどんなところでも、看護師さんに褒められれば悪い気はしない。たとえおへそでも。 お腹を切るので、手術前におへそを掃除してくれた。 「ストーマの位置をマーキングしますね。」 下腹部にペンで印が付け…

-24- 生きてるだけで幸せ。

「小腸の終わりの部分に、腺がんが原因の大きな悪性腫瘍ができています。回盲部にも炎症があるので、がんそのものだけでなく、この周辺を根こそぎ取り除いて、小腸と大腸を繋げます。がんに近いリンパ節は必ず切除します。かなり大規模に取り除くので、30センチ…

-23- 味。

朝、必ず回診がある。 カーテンをシャッていきなり開けるので、油断していると危ない。 「絶飲食、どうですか?」 どうですか、って言われてもなぁ…。 いやー、キツいです。でもまあ、もう慣れましたよ。 「そうですねー。もう1ヶ月になりますもんねー。キツ…

-22- とあるおじさんの苦悩。

「昨日の検査の結果が出ましたよ。他に転移はしてないです。大丈夫、手術できますよ。」 あぁ… よかった…。 ありがとうございます。よろしくお願いします。 「小腸から離れたところには転移してないけど、小腸と大腸の周りにはがんがいくらか広がってるよう…

-21- トモダチ。

さすがの専門病院。内視鏡検査だけを行う大きな病棟がある。 点滴とイレウス管を引き摺りながらフラフラしばらく歩いて移動。大腸カメラはここのところ週1ペースでお尻に入れていたので、綿棒でも耳に入れるかのような気楽さだった。 世の中そううまくいかな…

-20- 握手と陽気。

大都会のど真ん中だった。 高層の窓から見える景色は、およそイメージしてきた病院のそれとは似つかわしくない豪華さだった。 「話は前の病院の先生から聞いてますよ。一緒にがんばっていきましょうね。」 握手が印象的に力強い先生と、陽気な関西弁の先生の…

-19- 暴走する妄想。

「乳児は色々と感染の恐れがあるので、病院には連れてこないように。」 事前に病院から言われていた。 何ということだ…。 生ける宝物、又の名を長男に会えない…ですって…? 医者がそう言うならしょうがないけど…。 転院前の病院では、1階の待合室までなら連…

-18- 流れ行く景色。

転院先の病院は車で30分程。 親が車で来てくれた。 最初に入院したこの病院は、初め夜間救急で来たときは3時間待たされたり結局胃腸炎って言われたり、正直第一印象は良くなかったけども。いざ入院したら先生達は真摯に、丁寧に対応してくれた。色々苦しい処…

-17- いったりきたり。

「明後日、転院できるそうです。すぐに検査をして、なるべく早く手術も段取りしてくれるそうです。」 後で聞いたが、事前に連絡は一本していたそうだ。 ありがたい話だ。 とてもスムーズに転院ができそうだ。 覚悟は決まった。 専門家中の専門家に全て委ね、…

-16- プライド。

ドラマや映画やら、勝手にイメージしていた告知ってもっとこう…なんて言うか……仰々しいものだと思っていたけど、案外アッサリなものなのね…。 覚悟はしていた。 うん。 がんである、ということは受け入れた。 実際そこに存在しているのだから、受け入れざる…