そして新米パパは小腸がんになった。

働き盛りの30代、長男生まれて2ヶ月後、新米パパは小腸がんになった。がん患者の日常と心情を徒然なるままに綴るブログ。

-86- 嵐の前の静けさ。

その日は18年のGWの半ば。

がんが見つかってから、ちょうど1年3ヶ月が経った。

 

まだ1年しか経ってないのか…。

2、3年は経った気がする。

 

ほぼ、息子の年齢=闘病期間、てことだ。

 

 

いつも通りの通院治療だけど、その日は3ヶ月に1回のCTも撮った。毎度だけど、CTはドキドキする。

 

「ちょっとあんまりよろしくないですね」

 

えっ、ドキッ。何がですか?

 

抗がん剤の副作用で足に血栓が出来ていて、その極一部が肺に飛んでいます。肺血栓ですね。これほっておくとマズイです。ある日突然詰まって呼吸困難とかになります。見つけてしまったからには今日このまま帰すわけにはいかないので、緊急入院できますか?」

 

はあ。

 

「あと、右の腎臓の機能が弱ってますね」

 

そうなんですか?おしっこよく出てますけど…。

 

「血液検査の結果で下がっちゃってるんですよね…画像で見るとここなんですが、これ、腹膜でちょっと大きくなってきたがんが右の腎臓に巻き付いてる感じになってるのわかりますか?まあ、腎臓は一つでもやっていける臓器ではあるんですが、今後の治療を考えるとここで腎臓から尿管の詰まりは治しておいた方がいいと思うんです。この処置もついでに入院中にできれば」

 

 

そんなわけで、GW真っ只中にまさかの入院。

まあしょうがない。基本的に血液サラサラのお薬飲んで寝てるだけだっていうし。

 

 

あんな、男性諸君にとって身の毛もよだつ恐ろしきことが巻き起こるとはまだ露知らずに……。

-85- 出不精。

気がついたら、3ヶ月も更新が止まっていた…。

 

こういうのは、やっぱり一度ペース乱れるとすっかり出不精になってしまう…。

 

その間色々あってバタバタしてて、

書くことがどんどんてんこ盛りになるうちにそのまま見て見ぬふりしてた。

 

 

もう少し、もう少し落ち着いたら書こうと思う。

 

 

-84- でも覚悟して。

子供や学生のときに触れた音楽や本や映画は、大人になって改めて触れると、昔とは違った感想や印象になることは多い。

 

『魔法の料理〜君から君へ〜   by  BUMP OF CHICKEN

 

https://m.youtube.com/watch?v=MVVQynaCOYg

 

 

 

「君の願いはちゃんと叶うよ  楽しみにしておくといい」

「期待以上のものに出会うよ  でも覚悟しておくといい」

「君の願いはちゃんと叶うよ  怖くてもよく見てほしい」

「これからなくす宝物がくれたものが今  宝物」

 

 

何も言うことがない曲。

 

今こそ息子にこの曲を捧げよう。

 

30年後、もう一度聴いてみてね。

 

 

 

 

-83- 願わくば。

「歩く」という漢字は、左右の足跡の形が成り立ちらしい。

 

歩くといえば、僕は夕暮れ時の閑静な住宅街をのんびり歩くのが好きだ。夕御飯を作る音や匂い、窓から漏れるTVの音、子供のはしゃぐ声、お母さんの叱る声。一軒一軒の家に人の生活が感じられるあの雰囲気が好きだ。

 

 

 

息子が、歩いた。

 

たどたどしく、一歩、二歩。

 

一年前息子が生まれたとき、この子が歩いたら僕は号泣するかも知れないな、と思っていた。

 

号泣しなかった。

 

なんとも複雑な心境だった。

 

嬉しくもあり、微笑ましくもあり、不安でもあり。たぶん皆そうなんだろう。

 

僕が生きてきたこれまでのこと。

幼稚園、小学校、中学校、高校、浪人、大学、社会人、転職、結婚、病気。

文字にすれば平凡で、こんなもんだけど、一つ一つは果てしなく楽しく、しんどいことで一杯だった。いや、病気はしんどいだけだな…。

 

 

 

この世界に、この子は今足を踏み入れた。

 

いや、どんな人生になるかはわからない。全然違う人生かも知れない。

 

後悔だけはしないように。岐路に立つ度、よーく考えて。楽しいことがたくさんあるし、しんどいことも同じくらいたくさんあるだろう。

パパはいつでも相談に乗るし、君の味方だ。

 

 

願わくば、それが素敵な人生でありますように。

 

パパ、目一杯生きないとね。

 

 

 

-82- どこにいるのか今ではわからない。

子供や学生のときに触れた音楽や本や映画は、大人になって改めて触れると、昔とは違った感想や印象になることは多い。

 

時には昔の話を  by  加藤登紀子

 https://m.youtube.com/watch?v=gN2CqL7hjfY

 

紅の豚」のエンディング曲。

ジブリ映画で僕が断トツで好きな映画。

ストーリーも名言もいいけど、何より声優陣が一番豪華でハマっている。

 

 

社会人になりたての頃にこの曲が染みた。

学生の頃を思い出すからだ。

 

僕は高校、大学とバンドにのめり込んだ。夜な夜な下宿に集まって下らないことを話し、夜中の部室やスタジオで徹夜で練習したもんだ。

 

今思えば、学校で習った知識で今の仕事に現実に生かされているものは…はっきり言って、ない。

 

それでも、学生の頃の記憶はいいもんだ。

あの頃には戻れないことがわかっているから、あの頃の記憶は宝物だ。

 

 

今改めて、この曲を聴いてみる。

 

変わらずあの頃の記憶が蘇る。

 

 

おじいちゃんになってもこの曲を聴いて、同じ気持ちになりたい。

 

そう、思う。

 

 

 

 

-81- 余命。

検診と点滴の日。

 

今は2週間に1回のペースで病院に行っている。

何クール目なのかはとっくに数えていない。無期限なのだから意味がない。

 

前日にふと気になったことを先生に聞いてみた。

 

あの手術後、もし抗がん剤治療をしていなかったら、余命はどのくらいだったんですかね?

 

手術後の説明で、抗がん剤治療することを強くお勧めします、としか言われなかったから。

 

「まあ、小腸がん自体のデータが少ないし、個人差もあるから一概に言えないですが、もし大腸がんで○○さんぐらいの症状だとしたら、まあ、9ヶ月ってとこですかね」

 

 

こわっっっ!

 

もうとっくに死んでるじゃん。

改めて、がんという病気の怖さに触れてゾッとした。同時に、抗がん剤治療しててよかったと心底思った。

 

「今の抗がん剤は本当に進化してるので、その辺はかなり伸ばすことができますからね。○○さんのがんはそんなに数が多くないし」

 

うんうん、進化してる………

 

かなり………?

 

それって、どのくらい………?

 

1年?5年?10年?30年?

 

 

それは聞く気になれなかった。

 

怖くて聞けないのもあるけど、聞く意味もないとも思った。それは先生にも何とも答えられないだろう。今は順調に薬が効いていて、一生消えないと宣告されているこのがんを抑えられているけど、今後どうなるかはわからない。突然悪化するかも知れないし、このまま一生抑えられるかも知れないし、凄い新技術が開発されてもしかしたら消えるかも知れない。

 

突然悪化するにしても、それはある日交通事故で死ぬのと変わらない。

 

そう思うしかないじゃない。

 

全く、とんでもないモノを体に飼っちまったもんだ。

 

とにかく僕にできることは、抗がん剤治療を続けて副作用に耐えて、仕事を続けること。

なーに、もう副作用がどんなもんなのかはわかった。ツラいことはツラいけど、全然我慢できる。死ぬことに比べればどってこたぁない。生きてるだけで丸儲け。

 

家族のためなら何でも耐えてみせるさぁ。

 

 

これ、独りだったら、耐えられないかもね。

 

 

 

-80- 弱音。

【ヘルプマーク】義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマーク。

 

 

 

通勤電車がツラい。

 

足の裏の皮はズル剥けで、全体が常時1時間正座した後のように痺れまくっている。吐き気が追い討ちをかける。

 

だがしかし、僕の通勤経路の電車は行きのラッシュ時乗車率200%に迫る魔列車。座れることなどあり得ない。

帰りも混んでいて、座れるかどうかは時の運。

 

こんなことは言いたくないが、元気そうなおじちゃんおばちゃん学生さんが楽しそうに座っていると、うーん、…………ね。

 

しょうがないよ、見た目ではわからない。

 

 

ヘルプマーク?

 

世の中そんなに甘くない。

 

 

ああ、床でいいから座りたい。

 

 

 

-79- 指摘。

先日、奥さんから「がんブログのはずがお尻ブログになっている」という指摘を受けた。

 

そうかなぁ。

 

そんなにお尻のことばっかり書いてるはずは…………あるな。

 

だってパパお尻ツラいんだもん。

 

早く治って駅まで自転車で通いたいもんだ。もう歩くの疲れる。

ドーナツクッションがあるんだから、ドーナツサドル作って欲しいんですけど。駐輪場で注目の的だね。

 

 

やっぱりお尻のこと書いてるな。

 

 

 

次回はちゃんとがんブログらしいこと書こう。

 

-78- 創造と破壊。

人間の体とは不思議なもんだ。

 

DNAという名の設計図があって、せっせと修復してくれる。お尻の大穴が確実に埋まってきた。

 

「お〜い、お尻の設計図持ってきて〜。トンテンカンテン♪」

 

そんなイメージ。

 

 

しかしながら、そんなお尻再建事業を横目に副作用による下痢は相変わらず止まらない。

 

新たに穴の中の方が痛い。

おいおい、また痔瘻になったらどうするんだ。今度はもうパパ立ち直れないぞ。

 

考えてみれば、今投与している2種類の抗がん剤は、

 

5-FU→下痢を引き起こす

アバスチン→痔に悪影響を及ぼす

 

というまさにお尻キラーコンビ。

がん細胞も壊すが正常な細胞も壊すし、ついでにお尻も壊す破壊王

 

 

どうなることやら…。

 

どうか、どうかもう痔瘻にはならないで……。

 

 

 

 

 

 

-77- あの時本気で挑んでたら。

子供や学生のときに触れた音楽や本や映画は、大人になって改めて触れると、昔とは違った感想や印象になることは多い。

 

『かも  by KREVA

https://m.youtube.com/watch?v=Pt676ytVCQ0

 

 

僕は2回転職している。

今の職は、僕が最終目標とする仕事に直結する職種である。

前職にいた時この曲を聴いた。

ああ、思い切って動かなきゃ人生変わらんな…と思わせてくれた。

 

未経験の職種へ飛び込み、3年間僕なりにがむしゃらに仕事した。幸い仕事は上手くいき、幹部役職にスピード昇進した。

 

 

その矢先のがん発症。

 

今改めてこの曲を聴いてみる。

 

副作用と付き合いながら、何とかそれなりに目の前の仕事をこなしていければいい。

 

毎日のしんどさを前にすると、正直もうそれでいいと思ってしまう。

 

それでいいのか?

 

がんだからって、それでいいのか?

 

 

今改めて、そう思うようにしている。

 

 

 

 

 

-76- 見た目ではわからない 其の2。

「がん患者は働かなくていいんだよ」

 

ある議員の発言を僕が聞いたのは、告知されて転院した二日後のベッドの上で見たテレビだった。

 

そうか、がん患者は働かなくていいのか。

 

 

んなわけあるかっ。

 

働かないと数ヵ月で破産だわ。

 

告知を受けてそれなりのショックを受けた後、リンパ節への転移の不安とか手術への不安で頭が一杯だった時期。脳内では、いい方向と悪い方向を同時に何度もシミュレーションされていた。

悪い方向はまあ置いといて、いい方向になったとして、果たして今まで通り働けるのか?

 

 

 

毎日のように有名人のがんに関するニュースが飛び交う。

がんであることを公表して闘病する人、公表しないで亡くなって初めてがんであったことがわかる人。

 

 

がんであることを周りに伝えるか否か。

これはとても難しい問題だと思う。

 

特に、仕事をしながら闘病する人は。

 

リタイヤしている人、十分に資産のある人は、公表するかしないかは単に本人の気持ちの問題だけだと思う。

なので、有名人のそれは、本人のポリシーの問題だ。好きにしたらいい。

 

問題は、働かなくては生きていけないがん患者だ。

僕は勤め人なので、勤め人の視点からしか書けないが。

 

今まで通りに働けないことを同僚や取引先に疎ましく思われないか。

仕事を回してもらえなくならないか。

休みが多くなるとクビになるのではないか。

 

僕のように抗がん剤治療を無期限でずっと継続して行い、寛解期が来ることもなく休薬期間もないがん患者にとって、もう二度と今まで通りに働けないことは避けられない現実だ。

一度今の仕事を失えば、がんであることを伝えて転職することは至難の技だし、隠して転職しても体調不良が多ければ会社にはいられなくなるだろう。

今の会社を辞めて転職に失敗すれば、地獄しか待っていない。

 

そうなると、今の会社にいて、伝えるか伝えないかの2択にしかならない。

 

 

つづく。

 

 

 

 

-75- 無慈悲な一撃。

僕のがんが発覚したのは、長男が生後2ヶ月ちょいの時だった。

 

長男はもうすぐ1歳2ヶ月になる。

 

可愛くてしょうがない。

 

 

赤ちゃんが泣くのは色々事情があり、赤ちゃんも色々大変なようだ。

 

・お腹がすいて泣く

ごめんごめん、ミルク飲もうね。

・起きた時側に居なくて泣く

ごめんごめん、寂しかったね。

・眠くて泣く

えっ?

 

眠いなら寝ればいいのでは……。

泣いたら余計目が覚めるのでは。

 

そんな疑問にももう慣れた。

 

 

そんな長男の、寝ているパパへの無邪気な攻撃はなかなかに無慈悲だ。

 

未だに痛むお腹の手術跡(30センチ)に膝蹴りがどーーん。

ポートが入ってる胸のところに肘打ちがずーーん。

大穴空いてる痔瘻の手術跡に頭突きがどかーーん。

衝撃でパパがママになっちゃうかも知れないところに張り手がばーーーん。

 

 

うん、全部許す。

 

君が立派な大人になるまで、パパは頑張って生きるよ。

 

 

 

-74- 続けられるということ。

抗がん剤の副作用は、確かに辛い。

 

抗がん剤投与前と後の自分の体。

まるで別人の体だ。

 

抗がん剤を止めて、先進医療と呼ばれる治療や、食事で免疫力を高めてがんを治そうという治療へ移る人は多いようだ。

 

先に断っておくと、僕は別にそれらを否定するつもりは全くない。

 

 

抗がん剤治療を続けられるかどうか。

そのために必要なことはたった一つしかないと、僕は思う。

 

 

医者への信頼。

 

これしかない。

 

 

生きるため、家族のため。

それは別に抗がん剤を続けるためだけの動機ではない。

 

どんな病院でどんな医者に診てもらうことになるか。これはもう運でしかない。

 

 

僕はたまたま、幸運だった。

 

 

 

-73- 思い出の。

子供や学生のときに触れた音楽や本や映画は、大人になって改めて触れると、昔とは違った感想や印象になることは多い。

 

 

『思い出のグリーングラス  byトム・ジョーンズ

 https://www.youtube.com/watch?v=u81CTfbc99c

 

僕は全く覚えていないのだが、僕が赤ん坊の頃、この曲が流れてくるレコードプレーヤーの前で、歌詞の「to touch」のフレーズだけを真似するのが僕は大好きだったそうだ。

 

僕の息子ももう少しすればそういうことをするようになるのかなぁ。

 

色んな音楽を聴かせてあげよう。

 

 

この曲は色々な歌手がカバーしていて、プレスリーも歌っている。日本では森山良子が歌っているが、それは原曲とは全く違っている。原曲でいうところの2番までで終わっていて歌詞は変わっている。都会に疲れた女の子が故郷に帰ってくる、ひたすらパッピーエンドな印象だ。

原曲は3番から急展開になる。ちょうど、トム・ジョーンズが語り口調で歌うところからだ。やっぱり原曲には何も敵わない。

 

僕は平均寿命まで生きる気満々だけど、もし万が一病院で亡くなることになったら、この曲はさそがし心に染みるだろうなぁ。

 

【1番】

The old home town looks the same
As I step down from the train,
And there to meet me is my Mama and my Papa.

Down the road I look and there comes Mary
Hair of gold and lips like cherries.
It's good to touch the green, green grass of home.

Yes, they'll all come to meet me,
Arms reaching, smiling sweetly.
It's good to touch the green, green grass of home.

【2番】

The old house is still standing
Though the paint is cracked and dry,
And there's the old oak tree
That I used to play on.

Down the lane I walk with my sweet Mary,
Hair of gold and lips like cherries.
It's good to touch the green, green grass of home.

【3番】

Then I awake and look around me,
To the cold clay wall that surround me
Then I realize that I was only dreaming.

There's a guard and sad old padre
Arm in arm we'll walk at daybreak.
Again I touch the green, green grass of home.

Yes, we'll all be together
In the shade of the old oak tree
When we meet beneath the green, green grass of home.

 

 

【1番】

古き我が街はまったく変わっていない
列車から降り立つと、父ちゃん、母ちゃんが出迎えてくれてる

通りの向こうを見るとメアリーがこっちに歩いてきてる
金色に輝く髪とさくらんぼのような唇で

我が家の緑の芝に触れるのはいいものだ

そう、みんなが僕に会いに来てくれるだろう
腕に触れて甘く微笑んで

我が家の緑の芝に触れるのはいいものだ

【2番】

あの古い家はまだ立っている
塗装は乾いて剥げ落ちてるけどね
そしてオークの木もある
よく登ったりして遊んだもんだ

通りをメアリーと一緒に歩くんだ
金色に輝く髪とさくらんぼのような唇で

我が家の緑の芝に触れるのはいいものだ

 

【3番】

そして俺は目覚め、周囲を見渡す
粘土の壁が四方を囲んでいる
夢を見ていたんだと、俺は気付く

看守と、悲しげな牧師が立っている
夜明けに腕を捕まれて歩く
そしてまた我が家の緑の芝に触れるんだ

そう、俺たちは皆一緒になるのさ
オークの木陰の中で
我が家の緑の芝の下で会うのさ

 

 

-72- 蓄積。

【末梢神経障害】

抗がん剤の副作用による末梢神経障害(痺れ)は、他の副作用症状と違い、メカニズムの詳細が明らかになっていない。中には全くメカニズムのわからない痺れもある。
『主な症状』
・手足の痺れや冷たい感じ
・ボタンがかけにくい
・物がうまく掴めない
・文字がうまく書けない
・転びやすい
・靴がうまく履けない
・冷感刺激に敏感になる

『対策』
抗がん剤の副作用による末梢神経障害は、他の副作用と違い、一度出現するとその回復には長い期間かかる。症状の程度にもよるが、数ヵ月から長いときは1年以上かかるときもある。また、確立した治療法もないため、早期発見と早期対策が必要。末梢神経障害は、どんな検査結果にも反映されないため、自覚症状に気づいた時点で、症状の軽いうちに担当医に伝えておくことが必要。また、日常生活においては、外傷に気づきにくくなるので、火傷したりぶつけたりしないように注意することが大切。(国立がん研究センターHP)

 

 

 

 

今現在僕が投与している抗がん剤は、アバスチンと5-FUの2種類のみ。オキサリプラチンは止めている。

オキサリプラチンを始めて半年、神経障害の蓄積が酷くなってきたからだ。

 

仕事柄、紙の書類を常に扱うが、紙に指が触れる度に血が出るんじゃないかという痛みを感じる。

仕事柄、電卓とキーボードを打ち続けるが、痛くて仕方ない。

ワイシャツのボタンを締めるとき痛くて仕方ない。

冷たいものを持つと痛い。

爪が割れやすくなっている。ちょっと短めに爪を切ると爪と指の間から血が出る。

足の裏が、常に捻挫しているような痛みが続く。正直、歩けない。

 

 

神経の問題であって、怪我をしてるとかいう訳ではないので、我慢しろと言われればそれまでだけど、怪我との違いは、見た目にはわからないので周りから理解されないことと、いつ治るのかわからないこと。

 

治療法はなく、とりあえず原因のオキサリプラチンを止めて様子を見る。そのうち治るかもしれないし、ずっと後遺症で残るかもしれないという。僕の場合、抗がん剤治療は期間限定ではなく無期限であることもネックだ。

 

 

困ったもんだね。

 

 

 

 

それでも、死ぬよりかマシ。