そして新米パパは小腸がんになった。

働き盛りの30代、長男生まれて2ヶ月後、新米パパは小腸がんになった。がん患者の日常と心情を徒然なるままに綴るブログ。

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

-61- ぎゅーー。

とりあえず家の近くのそれなりに大きい病院へ行ってみた。そこは肛門科はないが、外科で対応してくれるという。 「抗がん剤やってるんですね。うーん」 「とりあえず、針刺してみて膿が溜まってるかどうか診ましょうか」 針。 針かー。 刺しちゃうかー。 プ…

-60- ジーパン刑事。

痛みが尋常ではなくなってきた。 ある日、お尻を擦ろうとふと手を伸ばすと、お尻の右側にぽっこりと卵大のコブが出来ている。 なんじゃこりゃーーー 基本的に座り仕事の僕にとって、そのコブの痛みは脂汗が出てくるレベル。座っていると地獄なので仕事場の中…

-59- 大魔王の贈り物。

【痔】 肛門周辺に生じた疾患の総称。痔疾(じしつ)ともいう。 病室のオフホワイトの壁を眺めながら僕が一番悩んでいたことは、がんのことではなかった。 お尻のことだった。 大魔王ゼローダの副作用により、6クール(3週間×6)の間、猛烈な下痢に見舞われた僕…

-58- 見た目ではわからない 其の1。

星野仙一さんが膵臓がんで亡くなったという。 全くもって他人事ではない。 有名人ががんで亡くなりニュースになる度、ニュースにならない人がどれ程がんで亡くなっているのか、気が重くなる。 一つだけ敢えて言う。 他人事だと思っている人。がんに他人事な…

-57- 医療行為。

無事ポートが埋め込まれ、オキサリプラチンとフルオロウラシル(5FU)をポートから投与する。今回は初めてポートからの投与なので、そのまま入院しながら投与する。 腕から点滴の針を刺すより、ポートに刺す方が圧倒的に痛くない。もう慣れっことはいえ、やっ…

-56- 食べるということ。

【胃瘻(いろう)】 腹壁を切開して胃内に管を通し、食物や水分や医薬品を流入させ投与するための処置。最近では人工的水分栄養補給法と呼ばれる。 1日5600円の差額ベッド代のかかる眺望抜群のベッド。 正直、眺望はどうでもよい。5600円あったら毎日焼き肉が…

-55- 宝物。

病室は13階。 今回は無期限の絶飲食とかいう修行僧のような縛りはないので、売店に行っても、ショーウインドゥに張り付いてトランペットを眺める少年のような感じで食べ物を見なくてもいい。 早速1階の売店へ向かうためエレベーターへ。 エレベーター内は点…

-54- あれ?

「はい、じゃあここに仰向けに寝てくださいね」 目線の先にはドラマでよく見る例の丸い大きな照明。 埋め込むのは右胸の鎖骨の下辺り。 「ちょっと麻酔が痛くてズーンと来るかも知れませんが、がんばってくださいね」 そんなフォローのない言葉にももう慣れ…