-63- 職人技。
悪夢のようなお尻の膿絞りをしてくれた先生が書いてくれた紹介状を持って、仕事午前休取ってその大きな病院へ。
先生曰く、かなり有名な肛門科の先生がいるらしい。
ありがたい話だ。どうせお尻を差し出すなら、腕のいい人に差し出したいのが患者の気持ちというもの。
紹介状を受付で出して暫くすると、案内のおじさんが肛門科の前まで連れていってくれた。
「待ち時間どれくらいかな?」
おじさんが肛門科受付のお姉さんに聞く。
「3時間から4時間ぐらいですかね」
よ、よじかんっ。
流石の大人気だ。ディズニー並の待ち時間。
ディズニーとの違いを敢えて言うなら、こっちはみんなお尻に悩みを抱えているということぐらいだ。
仕方ないので一旦仕事しに会社へ出勤。
本当にありがたいことにうちの会社は僕の病気に社長の鶴の一声で超理解を示してくれているので、勤務はかなり自由がきく。
一仕事終えてちょうどいい時間に再び病院へ。
先生は、大ベテランの風格漂うお髭のおじいさん。
早速お尻の穴へ指をどーん。
おっふ。
ひとしきりグリグリした後、状況を説明してくれた。
「右の直腸の脇から管が出来てて、そこから穴を回り込むように左の方へ空洞が出来てるね。ちょっと深いところに出来ちゃってる。どちらにしろ手術だね。手術のスケジュールが…かなり埋まっちゃってるんだけど2週間後ならいけるかな。1週間ぐらい入院してもらうよ」
すごい。ちょっと指グリグリしただけでそんなわかっちゃうのか。
ロキソニンがないとまともに動けないし、この間切開した傷から膿はずっと少量ずつ出続けているので、ガーゼを当て続けないとパンツが大変なことになる毎日。
それに加えた、副作用の数々。
2週間、何とか耐えよう。
だって治るんだもん。耐えるしかないね。