そして新米パパは小腸がんになった。

働き盛りの30代、長男生まれて2ヶ月後、新米パパは小腸がんになった。がん患者の日常と心情を徒然なるままに綴るブログ。

-66- 人類の叡智。

うつ伏せで両手は前へ。お尻を左右へぐいーと引っ張られる。

お尻の穴丸見えでいよいよ逃げられない体勢。

 

「はい、じゃあ始めていきまーす」

 

 

 

……………っ!

 

………あ、痛くない。

なんかお尻のところが小刻みに震えてるような感触があるだけで、痛くない。

 

流石です。痛くないです。よし、このまま20分間心を無にしてやり過ごそう。

 

心を無に、心を無に………ん?何か焦げ臭い。

 

 

焼き肉?

 

 

あー、これがレーザーメスか。

小刻みに震えてるのはレーザーがジリジリしてる感触か。

すごいな、体がレーザーで焼き切られてるのを痛みだけ感じないとこういう感触なのか。

 

こわーい。

 

ピンセットみたいのでグリグリ弄ってる感触もする。

 

麻酔がなかったらショック死してるだろうな。

 

麻酔ってすごい。

 

がんになってから散々麻酔をかけられて色々されたけど、お尻の穴を弄くられながら改めてそう思った。

 

 

「はーい、終わりましたよ。やっぱり結構深いところだったけど、ちゃんとうまくいったから。一応組織を一部生検に出しておくね」

 

下半身動かないので、看護師さん数人でよいしょーとストレッチャーへどーん。

そのまま病室前まで運ばれ、「ベッド移しまーす」のかけ声で看護師さんがワラワラ集まってきてくれて、皆でよいしょーでベッドへどーん。

 

気分は市場のマグロだね。