そして新米パパは小腸がんになった。

働き盛りの30代、長男生まれて2ヶ月後、新米パパは小腸がんになった。がん患者の日常と心情を徒然なるままに綴るブログ。

-27- 穴だらけ 其の2。

【硬膜外麻酔】脊髄のすぐ近くにある硬膜に背中から管を入れ、そこから麻酔薬を注入し、手術などの痛みをとる麻酔。術中・術後の痛み止めとして、全身麻酔での手術の直前などによく行われている。

 

 

 

勝負はいきなりやってきた。

 

麻酔医から前もって説明を受けていた、硬膜外麻酔。手術の直前に背中から管を刺して主に術後の痛み止めとして麻酔を入れる準備をしておく。これが、ネットで見ると針を刺すときなかなかの痛さだと評判。

 

手術の痛み止めのための麻酔を刺すときの痛み止めのための麻酔を刺すときが痛いという。

 

何を言っているかわからないかもしれないが、とにかくそういうことだ。

 

背中に注射することってめったにないから、慣れてないってことでも痛く感じるのだろう。硬膜外麻酔を刺す前に、局所麻酔を背中に打つ。この局所麻酔が痛いらしい。

まあ、これまで散々痛いのはやってきた。そうだ。今度、入院中痛かったことランキングを書こう。ブログで書いてないのもいくつかあるし。

 

さっさと終わらせて、手術手術。

先生たちの雰囲気も、硬膜外麻酔は前哨戦にもならないような気軽な感じ。

 

 

世の中そううまくいかないものである。

このセリフ、何度目だ?

 

「はい、背中こっちに向けて横向きになって下さい。そう、そんな感じ。」

 

麻酔医の先生が指示を出す。

若い女性だ。

 

「はい、それじゃ背中に局所麻酔を打ちますね。ちょっとチクッとしますよー。」

 

おお、チクッとする。チクッというか、ズキッという感じ。点滴とか採血の針よりはやっぱりちょっと痛いかな。まあまあ、大丈夫全然我慢できる。

 

「じゃあ、背中から針を刺して管を入れていきますね。ちょっと押される感じがして違和感あるかもしれないですが、ちょっと我慢してて下さいね。」

 

ぷすっ。

とんとんとんとん。

 

局所麻酔してるので痛みはない。

ただ、管を背中の中で押される感じは確かにある。

 

まあこれも局所麻酔してるから痛くはな…………ん?…………ちょっと……痛い?ズキズキするかも。

 

なかなか作業が終わらない。

 

「ちょっと、別の場所探してみますね。」

 

別の場所にもう一度局所麻酔。

痛っ。

 

とんとんとんとん…。

 

なかなか作業が終わらない。角度を変えたりしてグリグリしている感じが背中の中でする。

 

おもむろに先生が院内用のPHSで電話をかけ始める。

少し年配の麻酔医の女医先生登場。

 

「あー。確かにこれ入れにくそうだね。」

「はい。」

 

そんな会話を背中越しに聞く。

 

時間が経ったのでもう一度局所麻酔。

ぷすっ。

痛っ。

 

とんとんとんとん。

 

グリグリグリ。

 

2度程繰り返す。

やはり入らないようだ。

 

年配の女医先生が、おもむろにPHSで電話をかける。

「◯◯先生、手空いてる?処置中?終わったら8番に来てもらうように頼んでくれる?」

そんなやり取りを背中越しに聞く。

 

しばらくして、年配の男性の先生が登場。

 

局所麻酔。

ぷすっ。

痛っ。

とんとんとんとん。

グリグリグリ。

 

3度程繰り返す。

 

「どうも背骨の間が狭くなっていて、色々場所変えてやってみましたが難しいようです。無理矢理入れると危険なので、術後の麻酔は別の方法でやることにします。」

男性の先生が説明してくれた。

 

この時点でもう1時間ばかり経っていたようだ。

 

 

お腹を開ける前に既に背中は穴だらけだが、勝負は始まったばかり。