-75- 無慈悲な一撃。
僕のがんが発覚したのは、長男が生後2ヶ月ちょいの時だった。
長男はもうすぐ1歳2ヶ月になる。
可愛くてしょうがない。
赤ちゃんが泣くのは色々事情があり、赤ちゃんも色々大変なようだ。
・お腹がすいて泣く
ごめんごめん、ミルク飲もうね。
・起きた時側に居なくて泣く
ごめんごめん、寂しかったね。
・眠くて泣く
えっ?
眠いなら寝ればいいのでは……。
泣いたら余計目が覚めるのでは。
そんな疑問にももう慣れた。
そんな長男の、寝ているパパへの無邪気な攻撃はなかなかに無慈悲だ。
未だに痛むお腹の手術跡(30センチ)に膝蹴りがどーーん。
ポートが入ってる胸のところに肘打ちがずーーん。
大穴空いてる痔瘻の手術跡に頭突きがどかーーん。
衝撃でパパがママになっちゃうかも知れないところに張り手がばーーーん。
うん、全部許す。
君が立派な大人になるまで、パパは頑張って生きるよ。