そして新米パパは小腸がんになった。

働き盛りの30代、長男生まれて2ヶ月後、新米パパは小腸がんになった。がん患者の日常と心情を徒然なるままに綴るブログ。

-65- 半信半疑。

【脊椎麻酔(せきついますい)】
局所麻酔の一種。脊椎のくも膜下腔に注射針を刺して麻酔薬を注入し,脊髄神経の前根と後根を麻痺させることにより麻酔が得られる。腰椎に注射することが多いので,腰椎麻酔とよばれることがある。

 

 

 

手術の朝。

まずは座薬入れてお尻の中を空っぽにする。

入れてから20分ぐらい我慢してくださいね〜と看護師さんに笑顔で言われるも、無理無理5分と持たずトイレへ。20分我慢してたらベッドが大惨事になっちゃうよ。

 

歩いて手術室のある階へ。

 

局所麻酔かぁ。

膿を絞り出したときの効かなさ具合といい、ポート入れたときの丸聞こえ具合といい、いい思い出ないなぁ。

局所麻酔は痛みだけないので、感触はしっかりある。意識ももちろんある。何より何が恐いって、麻酔が効いてるのかどうか半信半疑の状態でメスを受け入れなくちゃいかんというあの瞬間ね。

 

手術室に入ると数人の先生と看護師さんがスタンバイ。まず麻酔して効いてから、執刀の先生が来る。先生は隣の部屋でオペ中で、麻酔が効いた順番にどんどん部屋を移って次々に手術していく流れ。手術時間は20分ぐらい。

 

「じゃあ、ここに横向きに背中を丸めて寝てくださいね」

「硬膜外麻酔が入らなかったんですね。背骨の間隔が狭くて…なるほど……」

「ごめんなさいちょっと痛いですよー」

 

ぷすっ。

 

そんなに痛くはない。

あの膿絞りに比べれば。

 

問題なく針は刺さったようだ。やれやれ、よかった。何事も無さそうだ。

 麻酔が効くまで暫く待つ。

 

麻酔医の先生が、背中に何かモノを当てる。

「これ、冷たいですよね?じゃあこれはどうですか?冷たいですか?」

続いてお尻に当てた。

 

うーん、まあ、冷た…くはない…ですかね?

 

「じゃあ、これは痛いですか?」

お尻に左側に何か当てる。

 

いやー、痛くないっす。

 

「じゃあこれは?」

 

いたーーーーーい。

 

右側に当てられたら普通に痛かった。

 

マジか。怖っ。

 

 

「麻酔の量足りないみたいですね。もう一回打つのでまた横向きになって下さい」

 

はい、ぜひそうして下さい。なんなら全身麻酔でも…。

右側はまだ膿が出てる切開した傷があるから、効き目が弱いのかな?

 

2度目の注射を打ってまた暫く待つ。

 

「これ、痛いですか?」

 

左側は痛くない。

 

「じゃあこれは?」

 

右側。うーん、さっきよりは…全然感じない、です。かな?うーん。でも確かにチクッとしたような…。うーん。

 

さっきの痛みの記憶が残ってるので、触れた感触が痛いのか痛くないのか正直自分でもよくわからん。

下半身全体がポカポカ温かくなって、じーんと痺れている。

 

「じゃあ始めていきましょう」

 

大丈夫、なのかな?

ほんとにメス刺して大丈夫なのかな?

お尻の穴とかいう全身でもトップを争う無防備なところを、サクッといって大丈夫なのかな?