そして新米パパは小腸がんになった。

働き盛りの30代、長男生まれて2ヶ月後、新米パパは小腸がんになった。がん患者の日常と心情を徒然なるままに綴るブログ。

-46- 大怪獣。

まずは抗がん剤を打った後の過ごし方についての説明を改めて受ける。

 

吐き気や下痢や皮膚の異常が出たときに対処する薬がそれぞれあるが、完璧に抑えられるものではない。神経障害の痺れはそもそも抑えられないし。やはり基本的に「耐える」ことが必要。なるべく安静に、とは言われても…仕事はしないと。どうしてもヤバいと思ったらいつでも病院に連絡を、と。

 

 

リクライニングの椅子か、ベッドを選べる。

混んでたので強制的にベッドへ。

 

ベッド、小さくて足が伸ばせない…。

 

さてはデカい若いヤツが来ること想定してないな。

 

まあいいや。

 

 

「ちょっとチクッとしますねー」

採血のより長い針を血管の奥にプスッとね。

 

まずはアバスチンから。

アバスチンは副作用の少ない抗がん剤。時間も短いし、いけるいける。本当はいきたくないけど。

 

問題はオキサリプラチン。

同じ語尾チンでもコイツはじゃじゃ馬。

看護師さんが電機アンカを腕の下に敷き、上からタオルを掛ける。オキサリプラチンはほぼ確実に痺れが出る。暖めると痺れが緩和するらしい。

そして2時間の長丁場。

処置室は無料wifiもあるし充電も可。寝ててもいいし本読んでてもいいし軽食食べてもいい。

 

快適じゃないか。

 

とは、いかなかった。

 

 

オキサリプラチン点滴開始から10分後ぐらい。

 

あー…。なんか、痺れてきたなぁ。確かに暖めてるのが効いてる感じ。

 

おお、なんかすごい痺れてきた。

 

あれ?これもしかして痛いぐらい痺れてる?

腕全体が、そこにないような感覚。

 

これ、全然快適じゃないや。甘かった。

 

 

まあ、痺れてるだけで実際ケガとかしてるわけじゃないし。

我慢しましょう。生きたいなら。

 

 

2時間後。点滴終了。

 

やべ。腕超痛い。

体の中でオキサリプラチン大暴れ。そういえば名前も怪獣っぽい。大怪獣オキサリプラチン。がん細胞ごと正常な細胞も踏み潰すダークヒーロー。

 

針抜いて、お疲れ様でした〜。

 

 

問題の、お会計。

 

 

8万円。

 

ああ、やっぱり本当に8万円なのね。

この後薬局で、もう2万円。

 

 

 

腕も痛いが、お財布はもっと痛かった。