-35- ちょっとそこまで。
今までパジャマを着る習慣はなかった僕だけど、すっかりパジャマでゴロゴロすることに慣れてしまって、家に帰ってからは基本的にずっとパジャマで過ごしていた。
パジャマ、楽。
何よりも、自宅は楽。落ち着く。
とにもかくにも、パパは帰ってきたぞ。
ちなみに、パジャマの語源はヒンズー語の「パージャーマー」というゆったりした服(下のみ)のことらしい。
まあ、どうでもいいんだけども。
お腹の傷の激痛は相変わらずだった。
でも必ず1日に1回散歩に外出するようにとの先生のお達しだった。
「平日の昼間から毎日出歩いてると、近所の人からはちょっとアレかも知れないけど、まあ気にしない気にしない。はっはっは。」
とのことだった。
散歩には必ず奥さんが付き添ってくれた。息子もベビーカーでスヤスヤ伴走。
なぜ散歩が必要なのかはすぐにわかった。
近所の歩いて3分のコンビニに辿り着くのがやっとだった。5分のコンビニには辿り着けない。
傷が痛いのもそうだけど、足が前に出ない。息がすぐ切れる。頭がボーッとする。自分が思っているレベルを遥かに越えて、1ヶ月半の絶飲食とベッドでゴロゴロ三昧は、体力を激減させていたようだ。
これがリハビリって奴か。
道行く人にどんどん抜かれる。道路のちょっとした段差に躓きそうになる。階段なんてもっての他。手すりやベンチはまさに神の救いの手。
これからの人生、身体障害者の人に優しくなれるな。間違いなく。