そして新米パパは小腸がんになった。

働き盛りの30代、長男生まれて2ヶ月後、新米パパは小腸がんになった。がん患者の日常と心情を徒然なるままに綴るブログ。

-29- 武士みたいなもん。

朦朧とした視界で見た先生のサムアップ。

手術は大成功だったそうだ。

 

懸念されていた、お腹の前の方へのがんの拡がりはあまりなく、臓器の少ない背中側へ腫瘍が大きくなっていたことで、ストーマが必要な程腸を取り除くことはなかった。背中の方も、うまく神経は取り除かないで済んだので松葉杖にもならなかった。

見えるがんとリンパ節とがん周辺の器官は根こそぎ取り除けた。

 

感謝。

感謝しかない。

今からでも医者になりたいと思うぐらい、先生に感謝だ。

 

 

 

さて、手術直後の見た目の様子はと言うと。

 

管が4本。

鼻から、二の腕から、手の甲から。そして、下半身から。

 

この下半身のやつ、麻酔中じゃなきゃとてもできないなー。入れる瞬間を想像しただけで、キューっと縮み上がる。尿を排出するための管。

 

手の甲のやつは、例の硬膜外麻酔が入らなかった代用の、術後の痛み止めの点滴らしい。当然、硬膜外麻酔より弱いらしく。

 

「傷口痛いでしょー。申し訳ないね。」

 

いやーでもこんなもんじゃないですか?

 

「いやいやいや、30センチ切ってるんだよ?絶対痛いよ。」

 

そんなやり取りを先生とした。

僕は高校生のときにギックリ腰をやって以来、ずっと腰痛と付き合ってきたこともあって、激痛には慣れているらしい。

 

「明日は早速歩いてみましょうね。」

 

痛いでしょ?と聞く割には手厳しい。

とにかく術後は歩いた方が傷の治りがいいとのことで。

 

管を抜いて、1ヶ月食べてないご飯を食べられるようになるためならば。痛いぐらいなんぼのもんじゃい。いくらでも歩いてやるぜ。

 

 

痛たたたたたたたたたっ。

 

痛かった。

そりゃそうだ。ハラキリしたんだもんね。