そして新米パパは小腸がんになった。

働き盛りの30代、長男生まれて2ヶ月後、新米パパは小腸がんになった。がん患者の日常と心情を徒然なるままに綴るブログ。

-10- 穴だらけ。

GWが明けるとすぐ、ウチの社長がお見舞いに来てくれた。

相変わらずフットワークが軽い。こんな鼻から管出てて喋れない社員ですいません。ありがとうございます、と、かすれ声でお礼。

 

お見舞いといえば、奥さんとウチの両親は毎日のように来てくれた。両親も来てくれたのは、2ヶ月の長男を連れてくるのにどうしても車が必要で、親が車を出してくれていたからだ。

 

5年前の盲腸で入院したときは、まだ結婚していなくて同棲中だった。その時も奥さん(当時彼女)は毎日来てくれたもんだ。

 

 

ありがとう。

 

 

あ、両親も、ありがとうございます。感謝してます。

 

 

 

「今、腕から入れてる栄養剤の点滴だと、ポカリスエットぐらいのカロリーしか取れないんです。かなり絶飲食が長引きそうだから、それだと栄養が足りないのでピックを入れましょう。」

 

ピックとは、二の腕や鎖骨あたりから入れる中心静脈カテーテルというもので、太い血管から心臓の近くに直接濃い栄養を送れるスグレモノらしい。

カテーテルギリシャ語で、「送り込まれるもの」という意味なんだって。なるほどね、よし、送り込みましょう。

 

で、どうやって?

 

「二の腕に局部麻酔を打って針刺して、管を血管にトントントンと心臓近くまで入れていきます。」

 

聞いてるだけで気分悪くなってきた。

 

処置室に行くと、ちょっと見習いの先生が3人。二の腕の裏を出して、エコーで血管の様子を確認する。

 

「さすが若いから血管が太いですねー。これはやり易いですね。」

 

若い?いやーそれほどでもー。

 

「病院はみんな80歳とかのおじいちゃんおばあちゃんばっかりだから、若いですよー。」

 

比較対象が…。

 

局部麻酔を打って針を刺す。お、さすが麻酔効いてる。痛くない。

 

「じゃ血管の中に管入れていきますね。」

 

あれ?痛い?

痛っ!痛いっす。

 

どうも途中のところで血管が急に細くなっているらしい。

 

「うーん、左から入れてみましょうか。」

 

今度は左の血管をエコーで調べる。

 

こっちも太くていい血管だって。

 

ふふ、いい血管♪

 

麻酔打つ→針刺す。

「うーん、麻酔打つと血管が細くなっちゃいますね。麻酔なしで刺してみていいですか?」

 

え。

ええ、まあ、はい、いいですよ。

 

麻酔なし→針刺す。

うん、それなりに痛い。

やっぱり途中で細いらしく管が入っていかない。

麻酔なし→針刺す。

以下同文。

 

「やっぱり右から入れましょう。ちょっと、先生呼んできて。」

 

右で麻酔なし→針刺す。

以下同文。

 

主治医の先生が来た。

「うーん、確かに見た目と反してやりにくいね。」

しばらくエコーで調べて、

麻酔打つ→針刺す→管をトントントン。

 

入った。

 

さすがや。

てゆうか、何回刺されたかな。

ほんと、痛みに強くなったもんだ。

 

 確かに、今までより腕が動かしやすい。栄養剤も1日1500kカロリーは入るって。ご飯食べてるのと同じだって。

 

いや、同じじゃない。

食べたいよう。いや、そんな贅沢言いません。

飲みたいよう。味噌汁ひと舐め、水ひと口でいいから……。